高齢者医療の魅力とやりがい

新富士病院グループにおける転職希望の医師の皆様に向けて、当院での勤務においてこれまでの経験やスキルがどのように活かされるかについてご紹介いたします。特に、急性期病院や大学病院で培った専門知識や臨床経験は、多岐にわたる患者様の診療において大きな財産となります。以下に、具体的な症例やシーンを交えながら、その魅力とやりがいについて解説いたします。
まず、当院では高齢者を中心とした多様な疾患を抱える患者様が多く入院されます。例えば、脳卒中後遺症や認知症に伴う嚥下障害や経口摂取困難な患者様に対しては、内服薬の調整やリハビリテーションを通じて、可能な限り経口摂取可能な状態へと回復させることが求められます。私自身、経口摂取困難な患者の胃瘻造設依頼を受けた際には、長年の内視鏡的治療経験や静脈経腸栄養管理経験を活かし、胃瘻造設後のケアや内服薬の調整を行い、時間はかかりますが、最終的に全量経口摂取な状態に回復させることに成功し、胃瘻抜去に至った症例を経験しています。また、胃瘻造設前の内服調整とリハビリで、胃瘻自体を回避した症例も何例か経験しています。また、前医の評価で、嚥下困難のため中心静脈栄養管理となり、長期療養目的で転院されてきた方も、内服調整や嚥下リハビリをじっくり継続し、経口摂取可能な状態まで回復し、中心静脈栄養管理から離脱し、施設へ退院された方も何例か経験しています。
高齢者医療におけるやりがいや面白さは、患者様一人ひとりの長期的な回復過程を見守り、支えることにあります。気切や胃瘻を必要とする患者様に対しては、特に長期にわたるじっくりとしたケアが求められます。私たちは、患者様の状態や生活背景に合わせたオーダーメイドの治療計画を立て、長期間にわたり主治医として管理を続けることで、少しずつ改善の兆しを見出すことができます。前述したような患者様が気切や胃瘻から離脱し、自立した生活に戻る瞬間は、医師としての大きな達成感とやりがいを感じる瞬間です。
このように数か月の関りでは達成困難な症例も年単位の長期的な関わりを通じて、患者様のQOL向上に貢献できることは、療養型高齢者医療の魅力の一つであり、医師としての使命感を深める貴重な経験となっています。
Profile
医療法人社団 三医会 鶴川リハビリテーション病院
山本 雅之
学歴・経歴:
平成12年昭和医科大学医学部卒業
平成12年昭和医科大学藤が丘病院内科研修
平成14年昭和医科大学藤が丘病院消化器内科入局
平成16年横浜新緑総合病院内科出向勤務
平成21年市ヶ尾カリヨン病院勤務
平成26年鶴川記念病院内科勤務
平成27年鶴川リハビリテーション病院内科勤務(現在に至る)
専門科:
消化器内科
所属学会・資格等:
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本人間ドック・予防医療学会
日本栄養治療学会
上部消化管内視鏡スクリーニング認定医
大腸内視鏡スクリーニング認定医
横浜市胃がん内視鏡検診指定医
日本人間ドック・予防医療学会認定医
人間ドック健診情報管理指導士
日医認定産業医
その他国家資格:
第2種電気工事士
3級ファイナンシャル・プランニング技能士