専門を超えて、地域に根ざす医療の現場へ―新富士病院グループでの挑戦

私はこれまで大学病院で不整脈を専門に、臨床と研究の両輪で医師としてのキャリアを歩んできました。高度な医療機器と専門的知識に囲まれ、最先端の医療に携われることに誇りを感じていましたが、ある時ふと「患者さんの生活や社会的背景まで見据えた医療とは何か」を考えるようになりました。そんな思いから、新富士病院グループへの転職を決意しました。
新富士病院グループに加わってからは、内科全般はもちろん、整形外科や皮膚科、精神科といった他科の患者さんにも日常的に関わるようになりました。病気そのものだけでなく、患者さんの生活環境、家族構成、経済状況、介護の問題など、医療の背景にある“暮らし”に触れることが日常となり、診療の視野が大きく広がりました。
大学病院時代のように狭く深く掘り下げる医療も重要ですが、今は「広く、深く、そして温かく」患者さんに接することを心がけています。例えば、再入院を繰り返す高齢患者さんには、単に薬を調整するだけでなく、訪問看護やケアマネジャーと連携しながら、退院後の生活設計にまで踏み込んだ支援が求められます。
加えて、勤務体系が明確で、定時での退勤が可能な点も大きな魅力です。勤務が終われば、業務に煩わされることなく、家庭や自分の時間にしっかり向き合うことができます。オン・オフの切り替えがしやすくなったことで、医師としての持続可能な働き方を実感しています。
専門分野を極めるキャリアも尊いものですが、医療の本質に立ち返りたい、患者さん一人ひとりと向き合う時間を大切にしたいと感じている方には、新富士病院グループでの働き方をぜひ知っていただきたいと思います。ここには、医師としての新しいやりがいと豊かな人生があります。
鶴川記念病院
Profile
医療法人社団 三医会 鶴川記念病院
医局 総医局長 岸 良示
経歴:
1990年3月鳥取大学医学部を卒業後、JR東京総合病院で研修医時代を過ごす。
1994年から聖マリアンナ医科大学医学部付属病院で循環器内科医として不整脈領域を担当し、2000年には同大学院で博士を取得。
その後、循環器内科講師・心電図室科長を経て、当院へ入職。
現在は総医局長として、勤務する。
資格:
内科学会認定医、循環器学会専門医